さらに続いて第4弾は嗅覚障害の中でも正常な匂いがわからなくなる嗅覚異常(嗅覚錯誤)についてです。
前回のお話で嗅覚障害は大多数回復の見込みあり、というデータを紹介しました。
その回復途中で正しい匂いとは全く違う匂いを感じてしまう嗅覚異常を経験するパターンがあります。
嗅覚異常は感染を経験した方のお話で聞いたことがあります。
回復過程で全然匂わなかったのが匂う変化はあったものの思ってたのと違う匂いで良い匂いのはずのものがガソリンや油の匂いに感じて食欲も失せるような状態になることがあるそうです。
これは辛いですね。食欲低下では匂いが回復しつつあっても体力が持たなくなります。
どうして全く別の匂いになるかというのを調べると
よこい耳鼻咽喉科の横井 慶先生がコラムで詳しく説明されていました。
※とても分かりやすいので興味あればこちらも読んでみてください。
(よこい耳鼻咽喉科HP 新型コロナウイルス感染症後の嗅覚障害の後遺症について)
要するに匂いというのは色んな匂いの元素が組み合わさって一つの匂いを形成しているので、感染ダメージで組み合わせの中の匂いが部分的にしか認識されなくなると本来の匂いじゃなくなってしまうらしいのです。
例えば桃の匂いが仮にいちご似の匂い元素とミルク似の匂い元素の組み合わせで出来た匂いだったとします。
感染して認識するのがミルク似元素だけになっていたら桃を嗅いでもミルクの匂いに感じてしまう、というワケなんです。
嗅覚異常は回復途中の一時的なものであることが多いのですが、その回復期間も人によってまちまち。
中にはずっと不安で食事も美味しく感じられなくなり食欲出ずストレスも溜まりうつ病へと移行する場合もあるらしいです。
嗅覚の健康被害への影響は大きなもの。
早期治療が回復に影響しますのでおかしいと思ったらまずは病院で治療受けられてくださいね。
ステロイド剤や漢方、亜鉛、ビタミン剤など処方してくれます。
ただ嗅覚刺激療法は日本は標準治療に入ってないので、採用しないところもあるかもしれませんが、
これも治療としては有効だと海外では採用されています。
セルフケアとしてお家でやってみてはいかがでしょうか?
例え匂いがわからなくても嗅いだ匂いの情報は何の匂いかと考えるより先に脳に届いています。
人間の五感の中で一番反応が早いのが嗅覚。
それだけ脳との結びつきは強い。
嗅覚刺激療法のトレーニングを続けると嗅細胞が増えるという研究があるので匂わなくても諦めず続けてみることが大事なのだそうです。
ちなみにアロマを使った療法の他にも漢方のお話もあったのでご紹介します。
漢方にもご興味ある方読んでってもらえればなと思います。
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