まだ紹介したい話題があるので続いて第5弾。
今回は、嗅覚障害の処方で漢方薬があるというお話。
嗅覚障害時の治療には、ステロイドや亜鉛以外にも当帰芍薬散という漢方も良いみたいですよ。
日本耳鼻咽喉科学会会報で発表されている
「嗅覚障害診療ガイドライン」https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/122/7/122_995_1/_pdf(122 (7), 995-998, 2019-07-20)では
「感冒後嗅覚障害に対して当帰芍薬散が有効であるとの報告がわが国でなされているが,いずれも後見的な報告であるものの,有害事象は認めておらず益が害を上回るとして弱いエビデンスでの推奨」
と記されています。
要するに有害なものではないので補助的な位置づけですが当帰芍薬散を勧められていました。
そのため病院でも当帰芍薬散を処方するところが結構あります。
日本橋浜町耳鼻咽喉科HP 「嗅覚・味覚障害と新型コロナウイルス感染症について」 https://hamacho-ent.com/blog_clinic/1101
らそうむ内科リハビリテーションクリニックHP 「新型コロナウイルスにかかってから「臭い(におい)がおかしい」あなた:嗅覚障害の治療 」https://rasoumu-cl.com/news/post-1782/
この当帰芍薬散、実は更年期(冷え性、貧血、生理不順、めまい、肩こりなど)のお薬でも知られていて私も一時期飲んでたことあります(^_^)
嗅覚障害にも効くということで驚きました。
日本鼻科学会会誌の
嗅神経性嗅覚障害の病態解明と治療への応用 (https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrhi/57/1/57_83/_pdf 日本鼻科学会会誌 57 (1), 83-86, 2018)の発表では
女性ホルモンのエストロゲンというのは嗅細胞の減少を抑える作用があり特に嗅上皮再生が促進に関係していることがわかっていて、
当帰芍薬散もエストロゲン様作用を持った漢方で嗅球内神経成長因子というのが増加させてそれが嗅上皮再生促進に関わっているの可能性があるということで注目されていました。
(※嗅上皮とは鼻の上の方に嗅上皮という匂いを感知する部位です。そこは粘膜に覆われており嗅細胞はこの中にあります。匂いが溶け込んで嗅細胞と接触すると神経を介して情報が脳に届き匂いが認知されるしくみです。)
漢方薬は一つだけじゃなく複数のところに働きかける特徴があるので当帰芍薬散のように幅広い症状に効くというのが多い。
その代わり効き目は緩やかであり長く服用しなくてはならないのがネックかもしれません。
それでも、また再び元の嗅覚に戻ることが出来るなら当帰芍薬散も試してみるのも良いのでは?と思いご紹介しました。
私も服用して調子良かったですし、長期服用に耐えられる体に優しい漢方だったかと思います(^-^)
そしてこれも知らなかったんですが、そもそも「嗅覚障害という病名に適用のある薬剤」今のところまだ示されていないそうです。
だから、今回調べてみてお医者様も色々試行錯誤の上で治療あたられているようだというのがわかりました。
今回色んな情報集めたことでこんなに医療発達していてもまだまだ解明されてないことが多いのだなと改めて実感しました。
新型コロナウィルスがこんなに広がるなんて4年前には想像だにしてなかったんですが、研究はまだまだ続いているようですし
4年を経てこうして普通の生活を過ごせるまでになったことを思うと医療従者はじめ関わってる方々には本当に頭が下がる思いです。
コロナまだジワジワと感染者出ているようなので皆で一緒に気を付けながら過ごしていきましょう~(^-^)
参考:COVID-19有識者会議HP「COVID-19の嗅覚・味覚障害」 https://www.covid19-jma-medical-expert-meeting.jp/topic/7240