疲れた時に歯痛が出る場合があります。
3~4月は季節の変わり目と忙しい時期でお疲れも溜まりがち。
中には歯痛がある方も出ているのでそれにまつわるお話をしたいと思います。
歯の疾患も見つからずなんとも無いのに歯が痛いことを専門用語で「非歯原性歯痛」(1)といいます。
この「非歯原性歯痛」にもいろいろ種類があり代表的なのは
筋筋膜性歯痛、神経障害性歯痛、神経血管性歯痛、上顎洞性歯痛、心臓性歯痛、精神疾患または心理社会的要因、その他の様々な疾患による歯痛(2)があります。
体のコリの疲れが原因で痛みが出るのは筋筋膜性歯痛でなんと心理的ストレスで悪化することもある(3)そうです。
歯は咀嚼筋、噛む筋肉を使いますがそこと関連して首肩の筋肉も連動しているのでそこが硬く痛みが出ると神経が誤認識して歯の方へ痛みとして出る現象があるとのこと。
また頭頸部の筋・筋膜痛の関連痛により歯痛を引き起こす頻度は50%(4)という報告もあるそうでコリの影響は意外なところまであるみたいなんですね。
本当に歯が痛いと感じてしまっているのでなかなか自分で判断するのは難しいものなのだそうですが、関連痛トリガーポイント(5)という所を押さえて歯の痛みが増すのであれば筋筋膜性歯痛と判断することがあるそうです。
↓
青い部分が痛みの箇所
✕の部分が痛みの原因となるトリガーポイントの場所
元赤坂デンタルクリニックの先生のお話(6)では鎮痛剤飲んでも症状変わらずやはり痛みが出ていたらそれは筋肉の疲れから出るものという判断の仕方もあると記載されていました。
実際、疲れると歯が浮く、違和感、痛みが出るというお客様もいらっしゃいます。
慣れている方は痛み方や痛み箇所、体の疲れや首肩こりの有無で自分でわかるらしく症状が出たら早めに
体をほぐすメンテナンスに来店されることもあります。
ただ、これも歯科で診察してもらった経緯があった後のことがほとんどなので初めて歯痛を経験する場合はすぐ首肩こりの原因にたどりつくのは難しいと思います。
まずは、歯に原因ないか歯科で確認するのは大前提ですが、歯の原因が思い当たるない場合はひとまず体のコリをとってみて反応みても良いかもしれませんね。(ズキンズキンとずっと歯が痛むのは明らかにおかしいのでそれはすぐ受診されてくださいね。)
歯痛に関連する筋肉の代表は咬筋と側頭筋。咬筋は噛む時に使いますし、側頭筋をあごを動かすのに使われている筋肉です。
体は繋がっているのであごから肩へ、肩からあごへ連動して動いているので筋肉疲労やコリも連鎖して広がってしまうんですね。
例えば、片方の肩が硬くなりそこに引っ張られて位置が高くなると頭も傾いてきますが、重心のバランスとろうとして傾きと逆側の歯の方に噛み癖が出ることが多いそうです。(7)
また下あごと首は繋がっていて首が前に出ると下あごは後ろに引っ張られて下がります。そうなると上下の歯のかみ合わせの位置が変わって不安定感が出ます。あごの動きが不安定だとその代償で首の筋肉へ→肩の筋肉へと負荷がかかって肩こりが発生。
これらを考えると肩こりが原因で歯痛になる可能性があるのもわかります。やはりコリは溜め込まない方が良いですね。
ということで歯痛に関連するコリを緩めるセルフケアを次回ご紹介したいと思います。
参考:
(1)(2)谷村歯科医院HP 非歯原性歯痛
(3)(4)金川歯科HP 筋肉痛と歯の痛み
(5)日本歯科医師会歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク 非歯原性歯痛
(7)麻布十番矯正歯科 骨を変える持続的な弱い力とは?矯正治療における重要性とは