年齢が中高年に差し掛かると手の関節症を患うことが多くなります。
特に周りで聞くのはへバーデン結節です。
変形性関節症の一つで加齢の伴う代表的な関節症の一つだそうです。
へバーデン結節は指の第1関節が腫れて変形してしまう疾患でズキズキと痛みが出たり、ボトルのフタが開けられないなどの症状に悩まされることがあります。
そして、症状が進むと変形や関節の近くにコブ(結節)ができるのも特徴の一つ。
手の使い過ぎや加齢や遺伝、また40歳以降の女性の方が男性より約10倍多いといわれていることから女性ホルモン減少が影響あるのではないかと言われています。
が、はっきりとした原因はまだ解明されていません。
治療としては安静にしておくことと、テーピングや消炎鎮痛剤、ステロイド注射などで対応します。
変形性関節症は老化の一つとされている側面から治療は痛みの軽減とこれ以上悪くならないための保存療法的な措置に留まることと、
痛みが高齢になるまで続くパターンはほとんどなく変形は残っても痛みは自然と引いてることが多いので、
積極的な手術治療は行われず痛みが消える時まで上手に付き合っていくという処置になるみたいですね。
とはいいつつ、長期間手を使う度に痛みが伴うのは辛いし不安になりますよね。
そんな中、「たかはしクリニック」の高橋嗣明先生のインタビュー記事には症状を和らげる食生活が紹介されていました。
髙橋先生は奥様が同じ指の痛みが出ていて食事内容で症状の変化が顕著に出たことから食事と痛みの密接なかかわりを確信したのだそうです。
食事でこの疾患の状態が大きく変わるのなら嬉しい情報ですよね。
ポイントは炎症促進させる油の摂取を控えること。
「まず、炎症性サイトカインを引き起こす油を断つことが大切。症状が和らぐまででいいので、いったんサラダ油やトランス脂肪酸を徹底的に排除してみてください」と記事の中で答えられていました。
人間の体の中にはサイトカインといって細胞から分泌されるたんぱく質あります。
このサイトカインは細胞間の情報を伝達するという働きをしてくれるのですが、中には炎症性サイトカインといって炎症反応を促進させるものがありこれが痛みを発生させているんです。
そして炎症を抑えるにはまずは炎症に繋がる油を減らすことが重要、ということのようですね。
炎症の引き起こしやすい油というのは以下のとおり。
飽和脂肪酸(常温で固まる動物性の油)の ラード、バター。
不飽和脂肪酸オメガ6系脂肪酸の紅花油、大豆油、コーン油、サラダ油。
そしてトランス脂肪酸を生成するマーガリンやショートニング。
逆に炎症を抑える作用のある油は次のとおりです。
不飽和脂肪酸オメガ3系脂肪酸EPA・DHA・αリノレン酸の魚油、エゴマ油、亜麻仁油。
EPA・DHAはイワシ、サバなどの青魚に多く含まれていて、αリノレン酸はアマニ油やエゴマ油に多く含まれています。
また、油以外にも炎症を抑える食べ物も紹介されていました。
”
・エストロゲンの減少には →大豆イソフラボン(納豆)を摂る
・変形の進行を抑えるには → カルシウム(牛乳、小魚)&マグネシウムを多く含む食品(ひじき、ほうれん草)を摂る
・免疫改善とカルシウムの吸収には → ビタミンD(鮭、干ししいたけ)を摂る
・カルシウムの石灰化を防ぐには → ビタミンK2(納豆)を摂る
・炎症を抑えるには → EPAなど良質の油(いわし・さば・あじなどの青魚)を摂る
・抗酸化・浄化を促進するには→珪素(玄米、ジャガイモ、小麦)を摂る。
”
バター・マーガリン・ショートニングなどはスイーツにも良く使われているのでそうとは知らずについつい口にしてることも多いですよね。
これら一切を断ち切るのは難しいかと思うので炎症作用の油を控えると同時に
抗炎症作用のある食べ物を多く摂るというのもやり方の一つかと思います。
へバーデン結節に限らず炎症の痛みには食事の改善も視野に入れてみた方が良いですね。
中高年になってくると老化を向き合わざるを得ない場面が増えてきました。
若いころに聞き流していた食事と運動による療法が今になっていかに大事になってきてるかしみじみ実感しています。
まずは無理せず出来るところから、ですね。
少しでも参考になるお話になっていれば幸いです。
参考:
「痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典」 創元社 井尻慎一郎 著
サライJP https://serai.jp/kajin/1135572
サライJP https://serai.jp/kajin/1135539