自己効力感で自己生成しよ

投稿日: カテゴリー: 日頃のケア
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自己効力感持ててますか?

「自己効力感」とは心理学者アルバート・バンデューラさんという方が社会的学習理論の研究の中で提唱された概念で、何らかの困難、目標があった時にこの程度なら自分で乗り越えられそう、解決できそうという自分の能力を認識できる力、感覚、自信です。

自分を信じることが出来てると自己肯定感に繋がるので大事なところですよね。

 

自己肯定感と似たことかなと思いそうですが違っていて、自己肯定感はどういう状態(例えば困難に失敗しても)であってもありのままの自分を受け入れられている状態のことで、

自己効力感が高いと困難に積極的に向き合える力、解決に繋がる行動力、失敗への恐怖感の低減、自己実現、自己成長に繋がるのでひいては自己肯定感も高くなれる良い作用があります。

 

この自己効力感を持ててるかどうかを判断する16個チェック項目(一般性セルフ・エフィカシー)というのがあります。

(1)

1 何か仕事をするときは,自信を持ってやるほうである
2 過去におかした失敗やいやな経験を思い出して,暗い気持ちになることがよくある
3 友人よりすぐれた能力がある
4 仕事を終えた後,失敗したと感じることのほうが多い
5 人と比べて心配性なほうである
6 何かを決める時,迷わずに決定するほうである
7 何かをする時,うまくいかないのではないかと不安になることが多い
8 引っ込み思案なほうだと思う
9 人より記憶力がよいほうである
10 結果の見通しがつかない仕事でも,積極的に取り組んで行くほうだと思う
11 どうやったらよいか決心がつかずに仕事にとりかかれないことがよくある
12 友人よりも特にすぐれた知識を持っている分野がある
13 どんなことでも積極的にこなすほうである
14 小さな失敗でも人よりずっと気にするほうである
15 積極的に活動するのは,苦手なほうである
16 世の中に貢献できる力があると思う

(2) ※1.3.5.6.13~16に「はい」と答えた場合、自己効力感が高い傾向がある
※2.4.7~12に「はい」と答えた場合、自己効力感が低い傾向がある

 

いかがでしょう?ご自身の自己効力感は高い方でしたか?低い方でしたか?こうしてしめされると自分の状態がわかりやすくて良いですよね。

 

自己効力感が高くなると例え困難な場面に直面しても

(3)

1. 適切な問題解決行動に積極的になれる。
2. 困難な状況でも簡単にはあきらめず努力することができる。
3. 腹痛や不眠などの身体的ストレス反応や、不安や怒りといった心理的ストレス反応を引き起こさない適切なストレス対処行動ができ、かなりストレスフルな状況にも耐えられる。

というような特徴がみられるようになるのでかなりメリット大です。新たな自分になれそうな期待感ありますね。

 

じゃ、自己効力感が高くなるにはどんな工夫をすればよいのか。これもバンデューラさんが4つに分けて示してくれてます。

(4)

1 自分で実際にやって直接体験してみること(遂行行動の達成)
2 他人の成功や失敗のようすを観察することによって代理性の経験をもつこと(代理的体験)
3 自分にはやればできる能力があるのだということを自己教示や他人から説得されること(言語的説得)
4 生理的・情動的反応の変化を自覚する(※心身が落ち着いて体調もよければ効力感高まりやすいので心身状態の把握が大事であるというということ。)(生理的情動的喚起)

 

この並び順は効果の高い順になっているので1の達成感や成功体験を多く取り入れるのが一番近道ですね。

ただ、努力を重ねても望む結果が得られない経験が続くと困難に立ち向かう努力を諦めるようになってしまうので(学習性無力感というそうです)目標設定は達成可能な低めから始めてOK。目標に到達していく途中の試行錯誤で得た知識と経験は自分自身への信頼強化に繋がっていきます。

達成感が物足りない時はその過程の中で頑張ったと思うところ拾い出していってみてください。人間の印象ってポジティブよりネガティブが記憶に残りやすいので出来たことに対する脳の記憶は残りにくいもの、過小評価しやすいんです。謙遜グセある人はメモに書いて記録残すぐらいしてもいいですね。記憶って結構頼りない。簡単にすり替わったりもする。認知のゆがみはここで起こりやすい。頑張った自分をちゃんと頑張ったとインプットしてあげましょう。

また、2は参考になりそうな人を見たり聞いたり、映画や本などでもかまいません。3は言葉で自分の脳にインプットする作業。特に経験したことを褒めておくのが効果あり。自分で自己暗示するでもいいし、誰かに背中をおしてもらえるようなこと言ってもらうでもいいし、歌を聴くのでもよい効果あるみたいですよ。

 

自己効力感は、勝手に生まれてくるものではなく自らが動いて自分が決定して自分をコントロールしながら育てていくもの。

例え失っていてもまた一から自分で育てていくことが、再生することが、リスタートすることが出来ます。時間がかかりますがきちんと自分に合う環境下で取り組むとちゃんと芽が出て育ちます。色々な方法でやれることあるかと思いますので自分なりの方法で力をつけて、新たな自分に出会えるといいですよね。そういった楽しみ忘れないでいたいですね~。

 

 

※参考文献

(1)看護婦・看護学生のGSES得点と臨床経験年数との関連静岡県立大学短期大学部研究紀要第10号1996年度 https://oshika.u-shizuoka-ken.ac.jp/media/10_13.pdf

(2)talknote magazine 自己効力感とは?自己肯定感との違いや高める方法を解説 https://talknote.com/magazine/self-efficacy/

(3)(4)自己効力感 日本地域看護学会誌,19(1)80-83,2016 http://jachn.umin.jp/pdf/chiikikangoindex/No10_jikokoryoku.pdf

看護大学生と短大生の卒業直前時における自己効力感の比較  https://www.tokushima-u.ac.jp/fs/1/9/0/5/1/7/_/Vol_1-10.pdf

こころネットGSES 一般性セルフ・エフィカシー(自己効力感)尺度 http://www.kokoronet.ne.jp/fukui/gses/

 

 

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