ストレスコントロールは自己観察から

投稿日: カテゴリー: コラム, 日頃のケア
ぱくたそ

4月になりました。

この時期は年度替わりで環境が変わることが多いですね。

さらに気候も変動しやすくてストレス感じることが多くて体調に変化出る場合があります。

人間にはホメオスタシス(恒常性)と言っていつもの同じような状態に保つ機能が備わっています。

体温が常に平熱に保たれて健康な状態でいられるのもそのおかげです。

そして、もし変化を生じる刺激を受けても元の状態に戻そうとしてくれる(ストレス反応)ようにもなっています。

注意してほしいのが自分のストレスに気が付いてないなんてこともあるんですね。

人間の体は変化に弱い生き物。

受けた刺激がポジティブであってもネガティブであっても変化を伴うものには負担を感じるもの、と言われているんです。

 

最近聞いた「きえはる心理学ラジオ」(https://open.spotify.com/episode/5zqsMQQUsPT3C7OHdf5zJI)の話の中で

ストレスに関する参考になるお話があったので紹介します。

 

アメリカワシントン大学のホームズとレイという心理学者の方が開発した

社会的再適応評価尺度(参考:ライフイベント法とストレス度測定https://www.niph.go.jp/journal/data/42-3/199342030005.pdf

というのがあるそうです。

これはライフイベントに対してストレス度調査をした結果を点数で表したもので、

その中でストレス度が1番高いのが

1位「配偶者の死」100点

次いで

2位「離婚」73点

3位「夫婦別居生活」65点

4位「拘留」63点

5位「親族の死」63点

6位「個人のけがや病気」53点

7位「結婚」50点

8位「解雇・失業」47点

9位「夫婦の和解・調停」45点

10位「退職」45点・・・

と43位まで続いているのですが、この中で「休暇」というポジティブそうな事柄であってもストレス0ではなく13点という結果が出ています。

仕事してないと不安という方もいらっしゃるということなのかもしれません。

つまり、いつもと違う刺激の多い、変化の多い事柄を体験するとそれがどのようなものであれストレスに感じているみたいなんですね。

なので、変化を要求される事柄やイベント、環境の変化、気候の変化などはそれにかかわるだけで疲れが出やすい、負担になっている、と考えた方が良いということになります。

今の時期、体調を崩しやすいのはそれだけポジティブなことでもネガティブなことでも変化を求められる事柄が多いから要注意の時。

体が元気でも精神的には疲れてるなんてこともあるかと思います。

 

そこで公認心理師 植木 希恵野さんがおススメしていたのは自己観察。

セルフモニタリング(ABC理論や認知行動療法といって人間の思考と行動に視点を置いた心理療法の治療の中でも使われている方法です)ともいいます。

自分が刺激を受けた時どんな風に感じててそこからどんな感情が起こりどんな反応(行動)になっているのか。

そこをちょっと自分で意識して確認するようにしてみることで自分に負担になっているポイントがわかりやすくなります。

 

コツはそこには良いとか悪いとかのジャッジをしないこと。

事実と感情と思考は分けて認識をする。

例えば何か怒ったことがあっても、ただ、ああ自分は今怒っている、とだけ自覚する。

怒っているから自分ダメだなと判断しない。

自分の感情を認めることは自分を大事にすることにつながり、その先には自己肯定にもつながっていく行為にもなるそうですよ。

 

モヤモヤしたものを言語化するだけでも、頭の中が整理されるだけでも楽になってきますし、自分がどういう事柄で感情が動いたり行動に移すのか自分の怒りポイントや思考パターンや癖、思い込みが浮き彫りになってくるのでストレス回避策や解決策のヒントにもなります。

例え普段出来ていても、忙しすぎたり疲れてきたりすると脳が疲れて決断力や判断力が鈍ることもありますから、そういった時などに活用されるのもいいかなと思います。

実際紙に書き出すのも良いみたいですよ。

 

例えば、

職場の同僚に挨拶をしたが返事がなかった(事実)

不安である(感情)

嫌われている(思考・認知)

不眠になる(体の反応)

寝る前にお酒を飲む(行動)

など実際に書き起こしてみます。

 

「感情」「思考」「体の反応」「行動」のうち自分でコントロールできるのは「思考」と「行動」だけと言われてるそうです。

なのでこの中からどこか自分で軌道修正出来る部分はないかと確認するのに良い方法なんです。

 

上記の場合は「嫌われている」という自分の思い込み(認知のゆがみ)がある可能性が考えられます。

返事がなかった理由はもしかしたら単に聞こえてなかっただけかもしれませんよね。

自分の思い込みの思考と行動で受けなくていいストレスを増やしていることに気が付くきっかけになります。

また自己観察に慣れてくるとストレスがかかった時に「今、自分はストレスかかったぞ」と自覚するのも早くなるのでひどくならない内にストレスにも対応できるようになるそうです。

 

そして、ストレスがかかっても大丈夫なように自分なりの対処法をたくさんリフトアップ(コーピングリスト)しておいて活用するのも良いみたいですよ。ストレスが全くない生活というのは難しいこと。でも何かあった時でも解決策があるとわかっていれば安心感が違いますよね。

実際、ストレス対処法の数やバリエーションが多ければ解決への選択肢が増えてストレスが軽減しやすくなるそうです。

ちょっとずつ寄りかからせてもらえる場所というのをたくさん作って自分の中だけで1人で解決しようしないようにしておくのが大切。

コーヒーを飲むなど小さい事柄から、外食する、人にちょっと話を聞いてもらう、公的な窓口に相談するなどやってみて自分の中でちょっとでも良い変化出たものならリストに入れて100個でも200個でもUPするのでOK。

 

何かと忙しいと一瞬アレ?っと思っててもその場は流して忘れてしまったり自分の小さな変化も見えにくくなりますね。

セルフモニタリングはそこを見えやすくしてをストレスを受けすぎないようコントロールするのに役立ちます。

心身が疲れすぎないようこういった作業も参考にされてこの春の季節乗り越えていってほしいと思っています。

皆様のご健康お祈りしています。

 

 

 

 

参考:ライフイベント法とストレス度測定 https://www.niph.go.jp/journal/data/42-3/199342030005.pdf

認知行動療法センターHP https://cbt.ncnp.go.jp/contents/about.php

しろかねたかなわクリニックHP https://www.shirokanetakanawa.jp/letter/index2.php?itemid=193

きえはる心理学ラジオ https://open.spotify.com/episode/5zqsMQQUsPT3C7OHdf5zJI

きらぼし学舎HPブログ https://kiraboshigakusha.com/blog/?p=6807

 

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