以前の記事で天然コルセットの役割をしてくれる腹横筋についてのお話を紹介しましたが、
その腹横筋と関連している骨盤底筋群についてのお話です。
骨盤底筋群とは主に内臓を下から支えたり排尿・排便のコントロールや体幹を安定する、姿勢を保つなどの役割してくれている筋肉の集まりです。
骨盤の底にあり上から臓側骨盤隔膜・骨盤隔膜・尿生殖隔膜と重なって3層からなっています。
特に排泄行為は2層目の骨盤隔膜である尾骨筋と肛門挙筋(恥骨直腸筋、恥骨尾骨筋、腸骨尾骨筋)筋肉が活躍していて
尿漏れなどはここの筋肉強化をすると良くなることがあります。
また、単独では動かずに横隔膜や多裂筋、腹横筋と連動して姿勢を支えているのでここを鍛えておくと腰痛予防へのアプローチにもなります。
具体的な例で言うと尿意を感じてから排尿まで尿道を締めて我慢する動きをしたりくしゃみをした瞬間に強力な力でキュッと尿道を締める動きをしてくれています。
骨盤底筋がしっかりしているとくしゃみをした時も腹部と骨盤底筋は内側へ力が向いて衝撃を受け止められるようになっています。
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しかし、骨盤底筋が弱いと力が外側へ向いてしまうので衝撃が受け止められず尿漏れや腰に衝撃を受けたり、また骨盤内の内臓が下に下がったりひどくなると骨盤臓器脱といって体の外に出てしまうこともあります。また、骨盤を立てた良い姿勢を保持できなくなり骨盤が後傾して膝をくの字にして体を支えるようになってあまりいいことがありません。
普段意識して動かしている筋肉ではないので衰え具合がわかりにくく尿漏れで発覚すること多いのですが、実は腰痛も間接的に骨盤底筋弱化の影響受けてる可能性もあります。
なので、腰痛予防にもおススメとして骨盤底筋トレーニングをご紹介します。
仰向けで膝を立てて肛門辺りをキュッと締めて上にあげたり下げたりします。
実は、筋肉には瞬時に力を発揮する「速筋」と持久力の高い「遅筋」があり骨盤底筋群には両方存在しています。
くしゃみの時キュッと締まるのが速筋、トイレで排泄するまでグーっと締めてるのが遅筋。
なので両方を鍛えるトレーニングが必要になります。
速筋は肛門を締め、尾てい骨辺りをほんのちょっと持ち上げる感じにしてパッとすぐ緩める、を5回を5セット行います。
遅筋は同じように肛門を締め、尾てい骨をグーっとゆっくり持ち上げる感じで5秒間しめて10秒間緩める、を5回を5セット行います。
この時に手には力を入れず緩めておいてください。お尻の下に手を置いて力を入れた時筋肉が動きを感じながらするのもOKです。
また呼吸筋の横隔膜や腹横筋とも互いに連動しあって動いてるため、腹式呼吸を意識することでも間接的に鍛えることが出来ます。
ここを鍛えることで体幹強化→良い姿勢の保持→腰痛予防に繋がりますのでぜひお試しになってください。
姿勢の教科書 竹井 仁著 ナツメ社
骨盤底筋群機能 障害に対する評価とアプローチ 理学療法学第 35巻 第 4 号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/35/4/35_KJ00004963396/_pdf
骨盤底筋の有効的収縮のための呼吸法の検討
https://www.health-net.or.jp/tyousa/josei/pdf/h29/h29houkoku_tsujino.pdf
女性の尿漏れ 骨盤底筋体操について 医療法人 薬院ひ尿器科HP
http://yakuin-uro.jp/column/detail/22